Inside INAX
No:JS0712
INAX
Inside INAX:INAXライブミュージアム『タイル博物館』リニューアル
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INAXライブミュージアム『世界のタイル博物館』リニューアル≪1階:美しいタイルの空間を「体感できる」展示空間へ。テーマは「装飾する魂(たましい)」≫
 『INAXライブミュージアム』の1周年、『世界のタイル博物館』開館10周年を記念し、『世界のタイル博物館』の展示内容を大きくリニューアル致しました。特に1階部分では美しいタイルの空間を「体感できる」展示空間を目指し、全体のテーマを「装飾する魂(たましい)」と題した全面リニューアルです。
 『INAXライブミュージアム』はINAX創業の地、常滑で「発想から製品まで、ものづくりの心を伝える、ライブ感あふれる5つの発見館」をコンセプトとして独自の文化活動を展開しています。タイルや水まわりの空間提案・ものづくりの背景には、人間の暮らしや文化への深い思いや想像力が必要です。だからこそINAXは、経済機関であるとともに文化機関でありたいと常に考えています。これからも、ものづくりの心を継承する独自の文化活動を推進していきます。
1.装飾壁の原点 クレイペグによる壁空間(紀元前35世紀頃、メソポタミア地域ウルク)
 四大文明のひとつ、メソポタミア文明。メソポタミア地域はチグリス川・ユーフラテス川に挟まれた粘土の豊富な土地で、シュメール人はここに多くの建造物を残しました。この2つの川は毎年のように氾濫し、人々はこの災害に対し、建造物の壁面に粘土釘や石釘を打ち込むことにより補強していきました。やがてこの工法が次第に装飾的側面を強め、建物の壁をより美しくしようと考え出したのが、「クレイペグ」と呼ばれる円錐状のやきものです。
約5500年前の壁面の再現。当時は推定200万本以上のクレイペグで壮大なデザインを施しました。
約5500年前の壁面の再現。
当時は推定200万本以上のクレイペグで壮大なデザインを施しました。
クレイペグ(実物)メソポタミア(紀元前35世紀頃)建造物の壁の補強に使われたと考えられます。やがて頭部に彩色してモザイク状に壁面を飾りました。
クレイペグ(実物)
メソポタミア(紀元前35世紀頃)建造物の壁の補強に使われたと考えられます。やがて頭部に彩色してモザイク状に壁面を飾りました。
クレイペグ(再現)タイルの前身とも言われ、円錐状の粘土を素焼きしたもの。粘土でできた釘の意味。長さ10cm、直径2cm程度。
クレイペグ(再現)
タイルの前身とも言われ、円錐状の粘土を素焼きしたもの。粘土でできた釘の意味。長さ10cm、直径2cm程度。
山形・三角形・菱形・対角線・ジグザグなど、様々な紋様を描き出していきます。
山形・三角形・菱形・対角線・ジグザグなど、様々な紋様を描き出していきます。
土の壁でありながら、織物を思わせるような繊細な壁面となります。
土の壁でありながら、織物を思わせるような繊細な壁面となります。
粘土から切り出し成形、乾燥、円錐底部の彩色を施し焼成します。焼成後、土壁に積上げて紋様を作り上げます。
粘土から切り出し成形、乾燥、円錐底部の彩色を施し焼成します。焼成後、土壁に積上げて紋様を作り上げます。
粘土から切り出し成形、乾燥、円錐底部の彩色を施し焼成します。焼成後、土壁に積上げて紋様を作り上げます。
粘土から切り出し成形、乾燥、円錐底部の彩色を施し焼成します。焼成後、土壁に積上げて紋様を作り上げます。
粘土から切り出し成形、乾燥、円錐底部の彩色を施し焼成します。焼成後、土壁に積上げて紋様を作り上げます。
2.世界最古のタイル 魂のための扉(紀元前26世紀頃、エジプト)
 エジプト文明もまた、四大文明のひとつとして数えられ、ピラミッドをはじめ壮大な土木技術で知られています。世界最古のピラミッドとして、紀元前2750年頃に造られたとされるジェセル王のピラミッド、この巨大なピラミッドの地下通廊の壁面に、美しく輝くブルーのタイルが使われていたことはあまり知られていません。
 このタイルは、世界最古の施釉タイルとされており、粘土は使わず、石英の粉末を固め、天然ソーダに酸化銅を混ぜ釉薬を施し焼成したものと考えられています。また、このような製法で作られるやきものをエジプト・ファイアンスと呼んでいます。
「魂のための扉」の復元 当時のタイルは、神や信仰のための壮大な装飾として作られています。この扉を通ってジェセル王の魂が現世に現れると考えられていました。
「魂のための扉」の復元
当時のタイルは、神や信仰のための壮大な装飾として作られています。
この扉を通ってジェセル王の魂が現世に現れると考えられていました。
世界最古の施釉タイル(再現)鮮やかに輝くこのブルーは、生命の色であり、王の再生や復活を願いこのタイルが張られたと考えられています。
世界最古の施釉タイル(再現)
鮮やかに輝くこのブルーは、生命の色であり、王の再生や復活を願いこのタイルが張られたと考えられています。
魂のための扉」復元/コーナーディテール 裏面に凹凸を設けて接着を良くし石灰モルタルにて施工するという現代にも通じる施工方法がとられていました。
魂のための扉」復元/コーナーディテール
裏面に凹凸を設けて接着を良くし石灰モルタルにて施工するという現代にも通じる施工方法がとられていました。
世界最古の施釉タイル(実物)(エジプト・ファイアンス)紀元前2750年頃ジェセル王のステップピラミッド内部の地下通路の壁面に張られていたタイル。王の永遠の宮殿であるピラミッドを美しく飾り、その輝きを4000年以上たった今も残している。
世界最古の施釉タイル(実物)
(エジプト・ファイアンス)紀元前2750年頃ジェセル王のステップピラミッド内部の地下通路の壁面に張られていたタイル。王の永遠の宮殿であるピラミッドを美しく飾り、その輝きを4000年以上たった今も残している。
3.装飾の宇宙 イスラームのタイル張りドーム天井(9世紀頃〜現在)
 7世紀のアラビア半島を起点として、短期間に広大な地域に拡がったイスラーム文化。厳しい風土の中で生き抜くために、人々がよりどころとした神への信仰の気持ちから、「装飾する魂」が萌芽し、幾何学模様を極めていきました。今も往時のタイルが残存し、装飾技術と細工の極致を現在に伝えています。
イスラームのモスクや廟(びょう)に見られるドーム天井の再現 一見複雑に見える幾何学模様は、実はコンパスと定規のみで措かれる幾何学形の繰り返しでパターンになっています。10種類のモザイクタイル形状だけで、幾何学の天才達の技術を再現しました。
イスラームのモスクや廟(びょう)に見られるドーム天井の再現
一見複雑に見える幾何学模様は、実はコンパスと定規のみで措かれる幾何学形の繰り返しでパターンになっています。
10種類のモザイクタイル形状だけで、幾何学の天才達の技術を再現しました。
交差スクインアーチのディテール
交差スクインアーチのディテール
イスラームドーム天井製作風景
イスラームドーム天井製作風景
イスラームのモスクのドーム天井の再現 光によって表情を変えるドーム天井。照明を用い、朝から日没、夜までの変化を表しています。
イスラームのモスクのドーム天井の再現 光によって表情を変えるドーム天井。照明を用い、朝から日没、夜までの変化を表しています。
イスラームのモスクのドーム天井の再現 光によって表情を変えるドーム天井。照明を用い、朝から日没、夜までの変化を表しています。
イスラームのモスクのドーム天井の再現 光によって表情を変えるドーム天井。照明を用い、朝から日没、夜までの変化を表しています。
イスラームのモスクのドーム天井の再現
光によって表情を変えるドーム天井。照明を用い、朝から日没、夜までの変化を表しています。
●モスクを飾るモザイクタイル(カットワークタイル)
ブー・イナ二ア・マドラサのモザイクタイル フェズ/モロッコ(14世紀)
ブー・イナ二ア・マドラサのモザイクタイル フェズ/モロッコ(14世紀)
ブー・イナ二ア・マドラサのモザイクタイル フェズ/モロッコ(14世紀)
マラケシュ/モロッコ(20世紀)四角に焼いたセラミックスをモザイクのパーツに加工します。(モザイク模様の型紙を使い打ち掻いていきます)
マラケシュ/モロッコ(20世紀)四角に焼いたセラミックスをモザイクのパーツに加工します。(モザイク模様の型紙を使い打ち掻いていきます)
マラケシュ/モロッコ(20世紀)
四角に焼いたセラミックスをモザイクのパーツに加工します。
(モザイク模様の型紙を使い打ち掻いていきます)
モザイクタイルのパーツ形状
モザイクタイルのパーツ形状
4.オランダ・イギリス・日本のタイル
●オランダ
 世界的な貿易で富を得たオランダの市民層は、住まいにつつましやかにタイルを取り込みました。異国情緒豊かな中国の染付磁器を参考に白地にコバルトブルーで花や風景などの身近なものを描いたタイルが主流です。
ブルー&ホワイトのタイル(17−18世紀)
オランダのタイル
オランダのタイル
ブルー&ホワイトのタイル(17−18世紀)
オランダタイルは沖積層の粒子の細かい良質の土を型枠で成形、素焼きを施し錫釉掛けを経て型紙絵付け法で図の輪郭を写していきます。そこに絵付けをし、さらに鉛透明釉をかけて本焼きすることで磁器のような光沢を出しています。家や水辺の風景、遊ぶ子供、職人、騎士など生活に密着したモチーフが描かれています。
ブルー&ホワイト 藍彩タイル
ブルー&ホワイト 藍彩タイル
●イギリス
 産業革命によって中産階級が富を得て、タイルを豊かに使い始めます。タイルは当時の美術の流れである「アール・ヌーヴォー」様式を取り入れた彩り豊かな図柄で、公共の建物から市民の住宅まで広くつかわれるようになりました。「室内を美しく装飾する」人間の欲求はこの時代から広がり、現在に至っています。
イギリスのタイル
ヴィクトリアンタイル(1830〜1930年)
ヴィクトリアンタイル(1830〜1930年)
イギリスのタイル
色釉が混じり合わないよう図柄の輪郭を細かい紐状の粘土で描く本来の方法のほかに、金型に畝を彫り込んで成形すると畝状のラインができる簡易製法もありました。単純化様式化された草花が主なモチーフで、アール・ヌーヴォーやアーツ・アンド・クラフツ運動の時期に多用されました。
ヴィクトリアンタイル チューブライニングタイル
ヴィクトリアンタイル
チューブライニングタイル
●日本
 「壁を装飾する」人間の欲求はとどまるところを知りません。時代や表現が変わっても、装飾は人の暮らしに欠かせません。小さな形の集合体であるタイルは、これからも人とともに存在しつづけ、その可能性を広げていきます。
日本のタイル
現代の日本のタイル
現代の日本のタイル
日本のタイル
タイル博物館のホームページ
タイル博物館のホームページは左記ボタンをクリックして下さい。
http://www.inax.co.jp/museum/

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